
Art Exposure
インドアートの生態系を作るギャラリー
アートは、今、Pasand ディレクターの MAMI が最も興味を持つ分野の一つ。自宅に国内外さまざまな作品を飾り楽しむだけでなく、Pasand Homeでも、インドのフォークアートを紹介しています。
Pasand の生産パートナーである Amit さんも、アートを愛する人。Amit さんの自邸リビングには、日本からも彫刻や骨董が、厳選されたアートの一部として飾られています。Amit さんを通じて、MAMIはインドアート界の優れた担い手の 1 人、Somak Mitra さんと妻の Pooja Gupta Mitra さんに出会いました。
急激に成長を遂げるインド。人口も、経済も、そしてアートも著しい発展を見せ、インド国内で開かれるアートフェアがグローバルな架け橋となって熱気を帯びているそうです。
Somakさんは「Art Exposure(アートエクスポージャー)」というギャラリーを 2018 年に立ち上げて以来、精力的に活動を広げています。Art Exposure は、西ベンガルのコルカタを拠点としながら、デリーやムンバイなど、コレクターの多く集まる大都市でも展覧会を企画し、精力的に活動するアートのプラットフォーム。
彼らの新しいスペースがコルカタにできたと聞き、早速訪ねて 2 人との再会を果たしました。
ギャラリーはちょうどニューオープンに合わせて、若手の現代アーティスト 12 人の合同展が開催中。
作家それぞれに技法も個性も大きく違い、惹きつけられる要素が異なります。Poojaさんと言葉を交わしながら、理解を深めます。
今年のインディア・アート・フェアでも注目を集めたという BUDDHADEV MUKHERJEE(ブッダデヴ・ムカルジー)の作品。
近代アートの巨匠の作品を取り扱いながらトップコレクターとの交流を深め、同時に、若手の現代アーティストを紹介していく。新しい美への思想を伝え、価値を上げていく。その循環が、Art Exposure の活動を、より活発にしているようです。
Somak さんはそれを「エコシステム」と呼び、アートの継承や、アートを見るという文化を育てることに繋げていきます。生まれ育ったコルカタで、若者が、現代アートの最先端を見に集まる。そこで巨匠のアートの奥深さを知る。そのような豊かな広がりの種まきが、ここで始まっています。
私たちがコルカタからデリーに戻った日、ちょうどデリーで彼らが準備してきた個展のオープニングがありました。突然のお誘いの風には乗るのが Pasand 流。
Art Exposure と、デリーのギャラリーShrine Empire が協働で開いたアーティスト Amitava の個展は、リルケの詩情と対比させた美しい展示でした。Somak さんや Pooja さん、その場に居合わせたアーティストの方々と歓談し、ディナーに向かいます。旅の合間に、新しいつながりを少しずつ深めて。
Photograph: Akemi Kurosaka
Text: Yuko Mori
Art Exposure
インドアートの生態系をつくるギャラリー