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PDKF|ジャイプールの湖のほとりで、女性たちの手仕事が生まれる場所


ラジャスタンの青い門をくぐると、花の咲く小道が続きます。その先に現れるのは、湖のほとりに佇むパレスを改装したアトリエ。女性たちの自立を支援する団体PDKF(プリンセス・ディヤ・クマリ財団)の拠点です。

外からはほとんど気づかれない、静かな空間。一歩足を踏み入れると、ミシンの音や手仕事のリズム、そして女性たちの明るい笑顔が広がります。

PDKFはマハラジャの子孫であるディヤ・クマリ王女によって2013年に設立されたNPOで、ラジャスタン州の農村部に暮らす女性たちの自立支援を目的に活動しています。

ここに集まる女性たちは、さまざまな背景を持っています。収入の機会が限られた環境で暮らしてきた方、家庭の中で困難を経験してきた方…。彼女たちが新しい生活のためのスキルを学び、働く場所。それがこのアトリエです。

ここでは庭の手入れや掃除から、裁断、縫製、プロダクト制作まで幅広い仕事が担われています。年齢層は主に20代から70代までで、およそ100人の女性たちが働いています。

アトリエは、かつてマハラジャが創作活動に利用していたと言われている場所にあります。水色の壁、雲をモチーフにした装飾、風が抜ける大きな空間。涼しく穏やかな空気に包まれた場所です。

裁断をするチーム、手作業を担当するチーム、ミシンを扱うチーム、大きな部屋の中にエリアが分かれながらも、全体が見渡せる、開放的な空間。

作業の手を止めて笑顔を向けてくれる女性たちからは、仲間への信頼と温かさが感じられました。

廊下の壁には、女性たち一人ひとりの写真とストーリーが飾られています。

どんな背景を持ち、どんなきっかけでここに来たのか。今、どんな仕事をしているのか。それぞれの人生が、この場所で新しく続いていることを感じさせる展示です。

今回の取り組みでは、Pasandの洋服づくり等でどうしても生まれてしまう残布を使った、アップサイクルプロジェクトが実現しました。

Pasandが生地を選び、それぞれの生地で作れるアイテムの数量を決定。そしてPDKFのアトリエでプロダクトへと仕立てていく流れです。

第1弾として生まれたのは、ゾウ、ラクダ、ウマのマスコット。ジャイプールの街の風景を象徴する動物たちをモチーフにした小さなぬいぐるみです。

このプロジェクトでも大切にしているのは、互いの仕事への敬意。

残布はそのまま送るのではなく、一枚一枚整え、生産しやすい状態にしてPDKFのアトリエへ届けています。その小さな配慮が、信頼関係や丁寧なものづくりへとつながっています。使えなかった生地は、きれいな状態で返却していただきました。

PDKFのプロダクトは、マシーンで作られたような完璧な工業製品ではありません。けれどそこには、思わず手に取りたくなるチャーミングさがあります。

人の手で作られた温度や、土地の文化が宿るプロダクト。 Pasandのテキスタイルが加わることで、そこに新しい表情が生まれました。

撮影時、Pasandのスタッフも総勢13名でインドを訪れました。現場の空気に触れ、ものづくりの背景を自分たちの目で見て知り、それをお客様に伝えていくためです。

服づくりの過程で生まれる小さな端切れが、女性たちの手仕事によって新しいかたちへと生まれ変わる。ものづくりの循環。そして、人と人のつながり──。今回の取り組みで誕生したマスコットを手に取ることは、PDKFで働く女性たちの営みに、そっと連なっていく。

ジャイプールの湖のほとりで生まれる小さなプロダクトには、 そんな物語が静かに込められています。


PDKF STOREについては、「Pasand Travel|Jaipur」でご紹介しています。詳しくは、こちらからご覧ください。

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Edit & Text / Ayaha Takada

PDKF|ジャイプールの湖のほとりで、女性たちの手仕事が生まれる場所