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Women’s Empowerment

3月8日はInternational Women’s Day(国際ウィメンズデー)。古くは1911年に始まり、1975年には国連が定めた女性の日。女性たちが自分の望むように力を発揮することを願う一日です。
ニューデリーや西ベンガルのコルカタ......行く先々で出会う女性たちの姿に、Pasandが見つけたもの。おおらかで朗らかな、生来の強さ、その美しさ。美しい女性たちの姿は、女性の持つ根源的な強さを想像させます。

手織りでジャムダニという織模様を入れたテキスタイルを織る村を訪ねた際、地域の職人たちを束ねる家の女性。カラフルな色のかわいいキッチンの前で。

また、ランチに出かけたあるレストランでは、扉を開けるなり、女性たちのおしゃべりの声の束がわっと飛び出してきました。85歳のおばあちゃんバースデーを女性だけで祝うパーティ。

装いの華やかな女性たちは、居合わせた私たちの肩を抱き、共に祝おうよと迎え入れてくれるおおらかさ。みんなでバースデーソングを歌い、笑い、泣き、連帯のムードがとても幸せそうです。

またPasandの長年の生産パートナーである縫製工場では、思い思いのサリーを身につけた女性たちの姿。手仕事を加えたり、検品をしたり、作業の内容はさまざまですが、とにかく美しい装いと、大きな目から放たれるまっすぐな眼差しに、心が晴れました。作業をするときに、こんなにオシャレをするなんて。けれどそれが彼女たちの日常。日常の中に、この美しさがあれば、どんなに静かな日々も心が守られるのではないか、と想像します。

インドでは、女性たちの教育や雇用、差別の撤廃という側面ではまだまだ途上で課題の多い面もあります。性差別に関する大きな課題があることも、ニュースでも伝えられる通りです。

一方で、社会的な女性の権利を上げる努力をしてきた企業も存在します。

今年発表するさまざまなものづくりのために出かけた旅では、30年も前に女性が設立したテキスタイル加工メーカーを知りました。デザイナーや生産管理など、さまざまな分野で自立した女性たちが活躍していて、そのクリエイティビティが、グローバルなメゾンからも評価され、パリでも表彰されるほど。それは同じように女性の多いPasandとしても、とても誇らしいことです。

サリーを身につけた女性社長が興し、多くの女性たちが活躍するテキスタイル加工メーカー。自然な笑顔が、彼女たちの充実を物語るようでした。

また、昨年に続き、今年もPasandのポップアップでご紹介するインドのブランド「EKA」は、自然やクラフトへの敬意やディテールへのこだわりなど、女性デザイナーの感性を響かせたブランド。他、訪ねた先の現場はどこでも、女性も含めたものづくりの環境整備に努めていました。

Pasandはほぼ女性のためのクロージングブランドであり、企業としても女性スタッフが主体です。ディレクターのMamiがコラボレート先に選ぶブランドや企業は、きっかけはつくられているものの魅力だったとしても、話し込めば、必ずどこかにそうした社会的意義への意識や共通項が見つかりました。それはとても興味深いこと。

今回見つけた女性たちの表情には、根源的な強さが見て取れます。制度や慣習にとらわれず、その強さがこれからもっと社会の中で鮮明に浮かび上がるように。日本でも、世界でも、性別を問わずとも、多くの人が、自分の望むように生きられますように。子供たちが、未来への希望を繋ぎ、生きていけますように。


Text: Yuko Mori
Photograph: Akemi Kurosaka

Women’s Empowerment