年末年始は、心とカラダを整える霧島旅へ
神々が天上界から望む、“霧の海に浮かぶ島“が地名の由来となっている霧島。古えの神話が息づく山々と清らかに流れる天降川(あもりがわ)を有する温泉地へ、ディレクターのMAMIが心とカラダを整える旅に出かけました。
ステイ先は、心づくしの温泉宿・妙見石原荘
古くから湯治場として人々に親しまれてきた妙見温泉。数々の湯宿が軒を連ねる中でも、ディレクターMAMIが毎回訪れているのは、1966年(昭和41年)に創業した妙見石原荘。初代から2代目、3代目へと受け継がれた今も、風情あふれる名泉とあたたかなおもてなしで皇族や文化人に愛され続けている。
湯殿への渡り廊下には、飲泉スペースが。妙見温泉は飲める温泉としても知られ、大地からのミネラルがたっぷり含まれているため、その湯は“飲む野菜“といわれている。入浴時だけでなく敷地内を散策する時もこまめに飲んで、内から温泉の恵みを味わうMAMI。パステルブルーのニットから青系の柄スカーフを覗かせて、おしゃれも寒さ対策もばっちり。
一日のスタートは、地元の恵みいっぱいの朝食から
この日は、渓流を望む半個室の掘りごたつ席で朝ごはん。かぼちゃやしめじ入りの具だくさん豚汁に、ふっくらと大きな出汁巻き玉子など、滋養たっぷりのご馳走が次々と運ばれる。やわらかな朝の光に包まれたのは、クレマチス模様のワンピース。その花言葉は「旅人の喜び」。
とろりと濃い有機卵黄の醤油漬けや、手間暇かけて作られた本枯れ節は、湯気までおいしい炊きたての伊佐米と。ほかにも、焼き鯖や薩摩揚げ、すっぽん味噌など、鹿児島の恵みをふんだんに使った品々が並ぶ。
朝いちで霧島神宮にお参りしてパワーチャージ
神々がこの世を治めたとされる神話の時代。最高神アマテラスオオミカミの孫で、三種の神器とともに地上に降り立ったとされるニニギノミコトを祀った霧島神宮へお参りに。この日のMAMIは、碧いボタニカル柄刺繍のパデッドコートに、張りと光沢のあるタフタ素材のパンツを合わせて、全身ブルー系で統一。
神々しい光が射す龍の手水舎(てみずや)。霧島神宮は、主祭神であるニニギの名が「天地が豊かに賑わう神」を意味し、その妻子も祀られていることから、商売繁盛や家庭円満、子孫繁栄にご利益があるとされる。坂本龍馬と妻のおりょうが新婚旅行に訪れたため、縁結びの神社としても人気。
天孫降臨神話の舞台となった霊峰・高千穂峰。その麓に鎮座する霧島神宮の境内から望む清々しい朝の景色。
源泉かけ流しの名泉で疲れをリセット
澄んだ空気の中、野趣を感じる気持ちのいい渡り廊下を歩いて湯殿へ。霧島の杉と樹木に囲まれた1万坪の敷地に、7つの源泉を有する石原荘。加水も貯槽もしない源泉かけ流しにこだわった温泉は、通のファンも足繁く通う。
天降川のせせらぎに面した混浴の「野天風呂 椋の木(むくのき)」。石原荘の湯は、美容液のような湯触りの炭酸水素塩泉。古い角質をやわらかくする作用がありながら、肌への刺激が少ない中性温泉なので安心。保湿成分のメタケイ酸を多く含む高温の自噴泉は、圧力を使った特殊な熱交換器で42度に下げるため、加水や貯槽で成分が変わったり薄まることもなく、上質な湯の恩恵をそのまま享受できる。
渓流に抱かれた開放感のある足湯。体を芯から温める炭酸成分で、リラックス効果大。石原荘では、すべて源泉に近い場所に浴槽を設け、その大きさも湯量にふさわしい造りになっているため、地中深くから湧き出た湯がいつも新鮮な状態に保たれている。温泉でMAMIが愛用しているのは、カシュクールのシルクガウン。「軽くて肌触りがいいので、浴衣代わりに着ています。くるくると小さく丸められて、持ち運びにも便利」
しつらえの美しい部屋で寛ぐ贅沢なひとときを
普段の生活空間とは異なるしつらえも、リフレッシュのための大切な要素。写真は、本館の最も歴史ある2室を改装してひとつにした特別和洋室の「瑠璃紫(るりむらさき)」。先代の想いを受け継ぎ、渓谷美との調和を重視した120平米の客室は、リビングに温泉という斬新な間取りを採用。和モダンな空間に配された茶道具や生花が、心に静けさをもたらしてくれる。
心地いい服と会話で、心を整える
館内のお休み処に腰掛けて友人とくつろぐMAMI。着ているのは、ノルディック柄にアルパカをたっぷりと使用した温かみのあるニットで、フランス人&ペルー人デュオが手がけるTRAMA(トラマ)というブランドのもの。お隣は、ラクーン混の贅沢な糸で編んだne Quittez pasのベストを着用。心地のいい服を着ながら、楽しいおしゃべりはいつまでも続く。
年末年始は、心とカラダを整える霧島旅へ
▼ロケ地情報
妙見石原荘
鹿児島県霧島市隼人町嘉例川4376番地
TEL:0995-77-2111
www.m-ishiharaso.com
霧島神宮
鹿児島県霧島市霧島田口2608-5
TEL:0995-57-0001
https://kirishimajingu.or.jp
Photography: Akemi Kurosaka(STUH)